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拠点形成計画
拠点形成の目的・重要性
推進担当者
拠点形成の目的・重要性
[本拠点の学問領域]
本拠点の学問分野は微視的な素粒子の世界から広大な宇宙に及んでいる。すなわち、超新星爆発によって形成された惑星・地球、地球に降り注がれた様々な元素を用いて創成される新物質・化合物、物質を構成する分子・原子、その構成要素である電子と原子核、更には宇宙の誕生にも密接に関連する素粒子・クォークが研究対象である。それを研究するための実験・観測及びその装置の開発、現象を説明する理論、更に理論を洗練して新しい法則・原理へと導く数学、これらが本拠点のカバーする学問分野である。以下に具体的な分野と担当組織を列挙する。


・宇宙物理学 X線天文学/宇宙進化学/高エネルギー宇宙物理学
・素粒子実験物理学 高エネルギー物理学/レプトン物理学/素粒子核分光学/原子核物理学
・素粒子論 統一理論に関係する重力理論/ゲージ理論/場の理論/超弦理論
・物性実験・物質科学 強相関電子系の磁性と超伝導/ナノ・クラスター物理学/極限科学/
地球・惑星科学
・物性理論 計算物理学/非平衡系物理学/相転移・協力現象
・数学 整数論/可積分系/微分幾何学/複素幾何学/微分方程式/確率論/
数値解析

[本拠点の目的]
実験により発見された現象は、物理学の基本法則に基づいてモデル化され、現象を数学的厳密性の下に説明することで新しい法則へと発展する。そして基礎科学の統合は思いもしない新しい技術を産み出し、人間生活を豊かにする。基礎科学の発展は、「更に深く」究極世界を探る縦糸と、「更に広く」統合原理を求める横糸の織りなす芸術作品である。現代の基礎科学は次第に細分化しつつあり、更に深く究極を探求し更に広く統合する視点を復活させる必要がある。これが「究極と統合の新しい基礎科学」をCOEプログラムとして提案するゆえんである。この目的を達成するために、実験系と理論系の幅広い研究者が連携し[1]宇宙基礎物質の研究、[2]新物質の創成、[3]原理の探求の3つの柱を立てプログラムを実行する。

本拠点形成のもう1つの目的は若手研究者の育成である。国際性と総合性・自立性という2つの観点から様々な教育プログラムを実行し、実験と理論の双方に通じた、国際性豊かな視野の広い若手研究者を育成するとともに、得られた知見・成果の発信を支援する。
[本拠点の特徴]
3つの柱の1つである[1]宇宙基礎物質の研究の中で、本拠点は次世代のミューオンやニュートリノ研究の新展開を目指す。現在のニュートリノ研究の最前線はスーパー・カミオカンデにあるが、本拠点では現行の研究で行われている微弱な量のニュートリノではなく、ミューオン崩壊からの大強度ニュートリノ・ビームを作り出すニュートリノ・ファクトリーの開発研究を進める。これにより、次世代のニュートリノ物理学の最先端を切り開き、世界におけるニュートリノ物理学の主導的役割を担ってゆくことを計画している。本拠点研究グループは、その計画の前段階である大強度ミューオン源「PRISM」計画の主導的立場にいる。5年間でその試作機を製作し基礎開発を固め、原研・KEKで建設中の大強度陽子加速器施設(J-PARC)に、PRISMを建設することを推進し、そこでミューオンのレプトン・フレイバー非保存探索実験を行う。この現象が見つかればノーベル賞級の大発見となる。また、我国はX線天文学において世界をリードしており、本拠点の研究グループは2005年打ち上げ予定のX線天文衛星ASTRO-E兇紡个靴董超低雑音CCD検出器の開発で指導的立場にある。同様に、彗星へのロケット搭載用の小型・高性能の質量分析器の開発にも長年の最先端技術が期待されている。また、核物理研究センターは、サイクロトロンでの世界最高の分解能達成を始めとして、着実な研究成果を積み重ねている。
[2]の新物質の創成は磁性物理学に特徴があり、希土類のセリウムやウラン化合物の磁性を担うf電子が近藤効果により低温で通常の伝導電子の質量の100倍も大きくなる「重い電子系の物理」は、世界をリードする研究に発展している。世界最高の純良単結晶育成技術と世界に誇る80Tの超強磁場で、この分野の研究は今後も更に発展する。一方、理論的にも第一原理の電子状態に基づくマテリアルデザインが、(In, Mn)Asなどの希薄磁性半導体で花開いている。磁性体でありかつ半導体であるこのような物質は、スピンと電荷の自由度を制御するスピンエレクトロニクスと呼ばれる新分野を生み出している。同時に、量子シミュレーションに基づいて新しい物質を創成する計算機マテリアルデザインは本拠点研究グループを中心に発展しているが、産業構造の変遷も反映して、今後の凝縮系物理の1つの標準理論となりつつある。

本拠点形成の契機は、近年の物理学と数学の接近である。実際、素粒子論は場の量子論・超弦理論を生み出し、既存の代数学・幾何学に新しい概念を提供した。現在、本拠点の数学に関するこの分野は大きく進展しており、この成果を物理学に適用したい。一方、多体系・無限系では、複雑系・相転移などの数学的にも興味深い現象が現れている。本研究グループで非平衡系・不規則系・強相関電子系等の分野で数学的問題を発掘し研究する素地が現在醸成されている。[3]原理の探求では、「素粒子論と代数・幾何学」、及び「多体系・無限系と数学」の2つの研究テーマに関し、これまで数学と物理学が個別に行ってきた第一線の関連研究を再編し、本研究組織をこの分野の世界的な研究教育拠点にしたい。
[期待される成果]
研究成果としては
1) 「あすか」でのシリコン星の発見のように、次期X線天文衛星の打ち上げが成功すれば、本研究で開発したCCDカメラにより、ブラックホール周辺の重力効果が解明される。
2) 大強度ミューオン源を試作し、研究を進めることにより、ニュートリノ・ファクトリーの開発が進展する。また、K中間子やB中間子での「CP対称性の破れ」に関して新しい実験結果が加えられる。
3) 超ウランのネプツニウム化合物の純良単結晶が育成され、その磁性と電子状態が明らかにされる。ゼオライトを利用したアルカリ金属s電子の強磁性発現のメカニズムが理論的に解明される。また、ゼオライトを利用した新しい磁性化合物が創成され、理論分野のマテリアルデザインが花開く。
4) シリコン・ナノチェインの成長メカニズムが解明され、同時に応用に発展する。隕石中の様々な同位体比異常を持つものの分布状況、及びその太陽系内への取り込み機構と生成環境が明らかになる。
5) アンダーソン予想を数学的に解明し、物性論に堅固な基盤を与える。保型形式論にオイラー積を持たないゼータ関数という新しい方法を確立する。複素幾何学的手法によりケーラー・アインシュタイン計量、自己双対計量、G-2計量などに特有な幾何学を解明する。

教育成果としては、宇宙へのロマンを抱き、物質の多様性に驚き、法則の持つ数式の美しさに感動する大学院学生・若手研究者が、世界に通用する研究者となって社会に巣立ってゆく。このような若手研究者は、どのような理系分野にも柔軟にチャレンジできる。
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